日本ではどの学校でも行われる運動会ですが、そもそも運動会が行われる国の方が少ないのが実情です。では中国の運動会はというと、実は学校行事としてしっかりと根付いています。
そこで今回は、ちょっとばかり日本とは違う、中国の運動会について詳しくご紹介します。
中国の運動会を調査!在住経験者に聞く6つのおもしろ特徴!
1. 学校行事として定着
日本では幼稚園から運動会が行われているのが一般的ですが、中国でも幼稚園レベルから運動会が一般的に行われています。しかも、大学においても一般的に行われています。日本の大学では運動会はほとんど行われませんから、中国の方が運動会が深く浸透していると言えるでしょう。
2. 日本とは違う競技種目
幼稚園から大学まで万遍なく運動会が行われる訳ですから、大学での運動会の規模は大きなものになることが想像できると思います。何せ10億人を超える人口を抱える大国家ですから、運動会を行うにも苦労が偲ばれるというものです。中国の運動会と日本の運動会には共通項もありますが、違いも存在しています。
最も大きな違いが競技種目と運営方式にあります。先ず競技種目ですが、中国では多岐に亘ります。幼稚園と大学で同じ競技種目が行われている訳では無く、当然年代に応じた競技種目が設定されていますが、日本の競技種目とは違いがあります。簡単に言うと、オリンピック的という事です。特徴的な点で申し上げると、高跳び、幅跳び、投てき競技など、個人競技も行われます。
日本では短距離走以外は個人競技が行われる事は極めて少ないですが、中国では陸上競技の個人種目が当たり前に行われます。中国では個、日本では和が重視されているという違いと言い換えられるかもしれません。
また、種目が多いのも特徴です。走り幅跳び、高跳び、三段跳び、やり投げや、短距離、中距離、リレーなど、陸上競技会の様にたくさんの競技が行われます。プラスして、ダンスや縄跳び等、世代に応じて様々な演目も含まれます。
3. 運営方式
オリンピック的と言うのは競技種目だけではありません。運営方式にも日本との違いが如実に表れています。それは校庭での競技運営です。
ワールドカップやオリンピックの陸上競技を想像してみて下さい。競技場の中では、様々な競技が同時進行的に行われていますよね。トラック内で高跳びや投てき競技が行われている時に、トラックでは中距離走が同時に行われていたりします。日本の運動会では必ず一つの種目だけが行われますが、中国の運動会は複数の競技が同時進行で行われるのは一般的なのです。
また、2でご紹介した様に競技種目が多く、世界第一の人口国ですから、運動会では全員が競技に参加できない場合もあり、多くの学校では、運動会を本大会とすると、事前に予選会が開かれて、運動会に出場する生徒を選抜しています。
予選会が行われる事自体驚きですが、規模の大きな学校では、その予選会が一日だけではなく数日かかる場合もあります。当然地域と規模に応じての話ですが、運動会当日に出場するのも大変なんです。一応個人種目として競技が行われますが、最終的にはチームで勝敗を決します。
なお、日本では概ね紅組白組で勝敗を決することが多いですが、中国ではクラスであったり、学年であったり、学部であったり、チーム編成に応じてやはり勝敗を決します。ちなみに、日本では学校の放送部が活躍し、音楽や実況で盛り上げるのも一般的ですが、中国ではそういう演出は無く、ストイックな競技会に近い趣きです。
4. 所要時間と父兄の参加
予選会まである場合も含めると長時間をかけて運動会が行われていますが、運動会当日の時間は日本と同様で、朝から始まって午後一定の時間という所要時間です。日本では学校の運動会は家族みんなが楽しみにして参加する一大行事ですが、中国では単なる学校行事であり、基本的には父兄の参加は前提にありません。
ですから、家族の席を確保する為に朝早くから席取りする様な日本的な風景はありません。父兄が観戦することは可能ですが、特に父兄席がある訳でもなく、観たい時間に観たい場所で勝手に観戦します。
また、父兄の観戦を前提としていないので、運動会は土日に開催されるとは限りません。大学の運動会は普通平日に行われています。ですから、中国の運動会は家族の一大イベントではないのです。
5. 観客席とお昼ご飯
運動会は学校の校庭で行われるのが一般的で、生徒は当日トラックの外側の所定席に教室から椅子を持ち出して配置し座って観戦します。父兄席は4でご紹介した様にありません。お昼の時間は特に設定されず、自分が出場しない時間帯に、各々勝手に食事に行きます。
中国の学校は今でも給食がある場合があり、その場合は校舎内の食堂で昼食を取ります。給食が無い場合は各自が校外で食事をしに行ったり、コンビニでパンや弁当を購入しています。
日本でも家族関係の不公平感をなくす目的で、父兄と一緒に校庭でお弁当を食べる習慣がなくなりつつありますが、中国ではその習慣はそもそもありません。
6. 花形種目は日中でも同じ
日本以上に様々な種目が行われますが、やっぱり中国でもメインイベントはリレーです。日本同様最後に行われる事が多く、運動会で一番盛り上がる最高潮に達します。そして閉幕式を迎えます。
なお、中国語で応援したりスポーツを観戦する際に役立つフレーズを以下にまとめていますので、こちらも合わせて読んでみてください。
ttps://www.funfunchina.net/watching-soccer/
まとめ
中国の学校にはプールがあるケースは少なくクラブ活動も基本無いので、運動に親しむ環境は日本の方が優れています。オリンピックの印象からは、中国は運動大国に思えるのですが、それは英才教育された数少ないトップエンドのエリートアスリートであって、意外にも中国の一般市民は運動に親しむ環境は余りありません。
中国のスポーツ事情については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも合わせて読んでみてください。
それにしても、中国でも運動会が日本同様に行われ、日本以上に様々な種目が行われている事実は驚きですよね。日本と似ているけれどちょっと違う中国の運動会事情のご紹介でした。
なお、中国は広大な多民族国家であり、経済性や文化度合も地域差の幅が広いので、記事内容は一般的大都市での事情とご理解下さいますようお願い致します。
中国の運動会を調査!在住経験者に聞く6つのおもしろ特徴!
1. 学校行事として定着
2. 日本とは違う競技種目
3. 運営方式
4. 所要時間と父兄の参加
5. 観客席とお昼ご飯
6. 花形種目は日中でも同じ