日本では、立春の前日のみを節分と言い、2月3日に「鬼は外、福は内」と掛け声をしながら豆を撒き、歳の数だけ豆を食べて厄除けする風習があります。また「恵方巻き」と呼ばれる巻き寿司を食べる風習も流行していますよね。それでは中国の節分事情はどうなのでしょうか?
今回は、中国の節分・恵方巻きに関するおもしろトピックをご紹介します。
中国に節分・恵方巻きはある?現地のおもしろ6つの豆知識!
1. 節分も伝来は中国から
我国の多くの文化と同様、節分も中国から伝来した風習と言われています。平安時代の頃に中国から伝来したと言われており、既に千年以上の歴史を経て、現代日本に根付いている、厄除けの為の春の風習として定着しています。
中国では「追儺」と呼ばれる宮中の儀式で、大晦日の夜に悪疫邪気祓いの行事として行われていたと言われています。中国では桃には厄除けの力があり、桃の実は不老不死の実であると考えられていたことから、桃の木で作られた弓と葦の矢で都の四門から鬼を追い払う行事だったそうです。
2. 豆まきの発祥も中国
日本の節分では、一般的に豆撒きが定着しています。この風習も、実は中国から伝来したと言われています。豆撒きは中国の明の時代に普及した風習で、日本には室町時代に伝来したと言われています。
3. 恵方巻きは日本でつい最近生まれた習慣
節分の日の夜に、恵方を向いて巻き寿司をほおばると縁起が良いという事から、近年流行している風習による食べ物が恵方巻きです。大阪か、広島から流行し出した風習の様ですが、発祥も起源も目的も定かとは言えません。関東出身の筆者には、未だにぴんと来ない風習であり、節分の日に恵方巻きを食べようとは全く思いません。
日本でさえはっきりとした風習となっている訳でもありませんが、日本発祥の正体不明な風習ですから、中国にこの様な風習はございません。
4. 現代中国には節分の風習はありません
中国から伝来した節分の風習ではありますが、現代中国には日本の様に、立春の前日に邪気を払う風習はありません。意外な事に、中国から伝来した節分の風習は、日本に於いて定着し、年中行事の一つとして根付いているのです。
5. 節分よりも年越し
中国では、旧暦12月末日である大晦日と、立春前日の節分は、両者共に旧暦の新年を迎える年越しの日として認識されます。西暦で元旦を迎える日本に於いては、元旦と立春前日の節分の間には、時間と季節の経過が存在していますが、旧暦の中国にはその認識が無いことから、節分の風習が根付いていないものと思われます。
旧暦の元旦を迎える春節は、爆竹と花火で華々しく迎えるのが中国の風習です。中国各地で爆竹と花火の音と光に包まれて、賑やかに年を越して行きます。厳かに年を越す日本の風習とはまるで違います。
筆者既著の以下の記事で春節の中国事情をまとめてありますので、そちらもぜひご覧下さい。
6. 二十四節気
一年を二十四分割して、最も昼間の時間が長い日を「夏至」、最も昼間の時間が短い日を「冬至」、昼間と夜間の長さが同じ日を「春分」「秋分」と呼んで、それぞれを春夏秋冬の中心とする事で季節を決めた暦が二十四節気です。
この考え方も中国から伝来したもので、節分の翌日である「立春」もこの二十四節気のひとつの季節であり、すべからくが中国から伝来した考え方という訳です。
まとめ
この様に、日本の節分は中国から伝来した風習であるにもかかわらず、現代中国には節分の風習が残ってありません。意外なこの事実にびっくりしてしまいますよね。雑学として知っておくと、中国人と話すときに面白いネタになりますよ!
中国に節分・恵方巻きはある?現地のおもしろ6つの豆知識!
1. 節分も伝来は中国から
2. 豆まきの発祥も中国
3. 恵方巻きは日本でつい最近生まれた習慣
4. 現代中国には節分の風習はありません
5. 節分よりも年越し
6. 二十四節気