中国に移住することになった場合、子どもの通う学校について不安な方も多いと思います。特に小学生以上になると、言語が理解できないことは授業内容の理解に影響し、先生や同級生とのコミュニケーションにも支障をきたす可能性があります。言語や文化的環境の異なる中、親子にとって出来るだけ最適な学校を選びたいですよね。
そこで今回は、中国在住歴10年以上で4児の子育て中である筆者が中国の小学校についてご紹介していきます。
中国の小学校事情!在住者に聞く7つの特徴!
1. 中国の公立小学校に入学するには一定の条件を満たす必要あり
中国の小学校も日本と同様、公立と私立があります。日本のように校区が決まっており、小学校入学に際しては、校区内の戸籍や不動産の所有が条件となっています。そのため、中国国内の有名学校区内の不動産価格は一貫して高額であり、その小学校入学のために多額のお金を支払って不動産を購入するケースも少なくありません。
中国語では学校の近くの不動産のことを学区房(シュエチーファン)といい、築年数の経過した古い物件でも安定した人気があります。不動産物件を探すときの参考にしてみてくださいね。
2. 中国の私立小学校は公立校に比べて入学に必要となる条件が少ないが学費が高い
私立小学校の場合には戸籍や不動産の所有といった条件はあまりありませんが、公立校と比べるとかなり学費が高額である場合がほとんどです。
筆者の子どもは福建省アモイ市の私立インターナショナルスクールに通っていますが、2019年から2020年度の一年の学費は小学生で20,300米ドルでした。以前に上海のインターナショナルスクールに見学に行った時には、学費がこの金額の2倍以上の学校も複数ありました。
しかし学費が高いだけあって、学校内設備は充実しており、新しい教材も豊富です。学費は毎年見直され、徐々に高くなっていきます。加えて、高学年ほど学費が高いので、学校選びのときには学費の向上も考慮に入れて選ぶ必要があります。
3. 入学申請は早めに出した方が確実
小学校入学の際には入学試験や面接があることが一般的です。この入学試験に先立って、事前に入学申請をしておかなければなりません。
入学申請のことを报名(バオミン)と言います。中国では7月から夏休み、9月から新学期と、日本と一年のスケジュールが違うので注意してください。新学期の9月から入学したい場合には、夏休み前までに申請をすませておく必要があります。
入試の日時は学校によって違います。大事な連絡事項を受け取り損ねないように入学前から学校とスムーズに連絡が取れるようにしておく必要があります。筆者の子どもが中国の私立学校幼に入学したときには2月の春節後から次年度入学の受付が始まり、5月に面接がありました。入学の意向が決まったら早めに申請を出しましょう。
ちなみに日本ではよく郵送で通知が届きますが、中国では電話やメールで連絡がきます。電話がかかってきたときにすぐ分かるように、学校の電話番号を予め携帯電話に登録しておくのもおすすめです。
なお、現地の保育園については以下の記事で特集していますので、こちらも合わせて読んでみてください。
4. 中国の公立小学校では毎日宿題が多い
中国の公立学校の教育方法は日本のように黒板に向けて机を並べて数十人の学生が一緒に勉強します。毎日たくさんの宿題があり、多くの教科書を入れたカバンはずっしりと重みがあります。中国の古詩など丸暗記しなければならないものも多いそうです。
宿題が多くて夜の11時ごろまでかかったというような話もよく聞きます。子どもだけでは完成できない宿題もあり、家族のサポートが前提となるので覚悟が要ります。
5. 中国の小学校には給食がない
日本の公立小学校では栄養バランスのとれた安全な給食が安価で提供されますが、現状ほとんどの中国公立小学校では給食はありません。お昼時間になると一旦家に帰り、食事を済ませてから午後また授業が再開されます。そのため大人が家で食事を用意しなければならず、仕事との両立が難しいのが現状です。
この問題を解決するために、多くの親が祖父母の助けを借りたり、学校の近くの託児施設等を利用しています。最近では一部の小学校で学校側が昼食を提供する試みが始まっており、今後更なる変化が期待されます。
6. 中国の小学校ではプールがないのが普通
日本では公立私立問わずほとんどの小学校で水泳教育がなされていますが、中国では水泳の授業があるのは限られた一部の学校だけです。
そのため大人も子どもも泳げない人が多く、筆者の中国の友人や親戚の中には、温泉のような水が大量にある場所に入るのも怖い、という人もいます。私立学校やインターナショナルスクールではプール設備と水泳授業がある学校が比較的多いです。
なお、現地の人気な習い事について以下にまとめていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
7. 中国の小学生の水筒の中身は水
日本の小学生の水筒の中身は麦茶等カフェインのないお茶であることが多いですが、中国では子どもはほとんどお茶を飲みません。水筒の中身は飲用水です。
中国では日本のように水道水を直接飲用することはできません。そこで中国では、水道水を一旦沸騰させてから飲む、浄水器を使用する、飲用水を購入するといった方法がとられています。また冷たいものを飲むと体に悪いと考えている人も多く、日本のように氷水を飲む習慣は一般的ではありません。
なお、中国の水については以下で詳しく解説していますので、現地へ行く前に一読しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
中国の小学校について理解が深まったかと思います。中国の公立小学校生徒はよく中国少年先鋒隊を表す赤いスカーフを巻いているのも特徴の一つです。また、日本普及しているランドセルは中国ではあまり使用されておらず、リュックサックのようなカバンを背負っています。
中国では教育に熱心な家庭が多いのも特徴的で、優しいだけではなく、厳しさを備えた先生が大人たちに人気があります。日本とはまた少し違う教育環境を体験してみたい方は是非中国にいらしてみてくださいね。
中国の小学校事情!在住者に聞く7つの特徴!
1. 中国の公立小学校に入学するには一定の条件を満たす必要あり
2. 中国の私立小学校は公立校に比べて入学に必要となる条件が少ないが学費が高い
3. 入学申請は早めに出した方が確実
4. 中国の公立小学校では毎日宿題が多い
5. 中国の小学校には給食がない
6. 中国の小学校ではプールがないのが普通
7. 中国の小学生の水筒の中身は水