中華料理は必ず火が通っています。中国では冷たい物を身体に取り入れるのは、古から身体に良くないと言い伝えられており、お料理は必ず火を通しますし、飲み物も冷えた飲み物を基本的には飲みません。
しかし、日本の回転寿司店が中国に進出したり、スーパーやコンビニの出店で、食文化も大きく変化しています。今ではレストランで注文してからお料理がやって来る間に、火を既に通して冷ました料理を、お料理の前に冷菜として食べるという習慣があります。
今回は、本場中国ならではのお酒の肴におすすめな人気おつまみをご紹介します。
中国おつまみ特集!お酒の肴におすすめ現地の人気15選!
1. 四季烤麸(日本人には超無名な知られざる超お勧めおつまみ料理!)
ご紹介のトップバッターは何と言ってもこれです!「四季烤麸」(スージーカオフ)。何故この料理がトップバッターかと申しますと、筆者の大好物だからです。中国に着いたその日の夕食では、レストランで必ずこれとビールを頼んで晩酌します。
中国麩と木耳、キノコなどが、甘醤油味で煮込まれているだけという、簡単な前菜ですが、ビールにも、白ご飯で食べても抜群に合います。しかも安い。日本の中華料理店ではメニューにあるお店を見つけるのは至難の技。中国に行ったら、前菜として、お酒の肴として、おつまみとして、超お勧めな一品です。
2. 干煸四季豆(インゲンの歯ごたえが美味しい)
次にご紹介する一品も筆者の大好物「干煸四季豆」(ガンビィエンスージードウ)。こちらも1でご紹介しました「四季烤麸」と同様に必ず中国に到着した晩ご飯には必ず注文する一品です。こちらは冷菜ではなくて、火が通った前菜の様なお料理です。隠元を、「干辣椒」(ガンラージャオ)と呼ばれる干し唐辛子とニンニクと一緒に炒めた一品です。極めてシンプルなお料理ですが、作り方を聞いただけで、ビールに合いそうだなーと思いませんか!合うんです。
3. 清炒豆苗(定番シンプル野菜炒め)
簡単なお料理で、しかも安くておつまみに最適なのが豆苗。これを単純に塩炒めしたのが「清炒豆苗」(チンチャオトウミョウ)です。シンプルでいながら、豆苗の味覚とシャキシャキ感が味わえる一品。実は、これも筆者がよく注文する一品でございます。
筆者の好物ばかり紹介して申し訳ございませんが、好物だからこそ、やはり説得力を持ってご紹介ができます。日本の中華料理店でも食べられますが、やはり提供店は少ない一品ですから、中国に行かれたら是非!
4. 拍黄瓜(夏に最適さっぱりおつまみ)
次にご紹介するのは中国家庭では定番と言っても過言ではない冷菜「拍黄瓜」(パイファングア)。直訳すると「叩いた胡瓜」。つまり、”胡瓜のたたき”です。超シンプルですが、夏にはしゃきっとすかっとおいしいおつまみであり冷菜です。
胡瓜をそのまま包丁の腹で叩いて、潰れない程度につぶし、ニンニクも同様に包丁の腹で叩いて細かくして刻み、それを塩と胡麻油と共に胡瓜にかけてまぶせば出来上がりです。夏のおつまみには最適です。
5. 香糟毛豆(枝豆は中国でも定番)
日本のおつまみ、酒の肴の定番である枝豆。中国にも枝豆はあります。それが「香糟毛豆」(シャンツァオマオドウ)。
日本で定番の枝豆は、茹でた枝豆に塩を振っただけですが、中国の枝豆は、茹でた枝豆に「香糟」と呼ばれる中国調味料に暫し漬けているという違いがあります。紹興酒の酒粕に塩、砂糖、香辛料が入った独特の調味料です。こちらも日本の枝豆同様、ビールに合います。
6. 干豆腐(中国醤油が浸みた乾燥豆腐)
お豆腐を乾燥させて、薄く3cm程度の正方形に切ったのが「干豆腐」(ガンドウフ)。中国のスーパー等では、真空パックにしてどこでも売っている当たり前の食材です。
調理方法は様々ですが、甘醤油等で煮締めてお酒のおつまみや、中国茶のお茶うけとして食べる食べ方をご紹介致します。このシンプルな食べ物が、おつまみとして最適で、これも筆者の大好物の一つです。
7. 皮蛋豆腐(冷奴の中国風アレンジ版)
日本の冷奴に似た中国おつまみが「皮蛋豆腐」(ピーダンドウフ)です。お豆腐に食べやすく切り込みを入れて、その上にピータンを程よい大きさに切って、ニンニク、香菜等をトッピングして、香油(ごま油)とお醤油などをかけて食べます。
8. 凉拌豆腐皮(日本人には馴染みの無い湯葉料理)
日本人には全く馴染みのない冷菜として「凉拌豆腐皮」(リャンバンドウフビ)をご紹介致します。豆腐皮というのは、細長いきしめん状になった中国湯葉の事で、きゅうりの細切りやクラゲ、香菜などと共に、ニンニクとごま油であえた調味料で仕上げたさっぱり系のおつまみです。
9. 醉鸡(紹興酒に漬けられた鶏料理)
酔った鶏と書いて「醉鸡」(ズイジー)と言います。茹でた鶏肉を紹興酒をベースにした調味料で味付けしたシンプルな鶏肉料理です。作り方そのものの通りに、シンプルに鶏肉の美味しさを味わえるお料理です。浙江省の省都である杭州の名物料理です。杭州の老舗レストランでは壺に入って提供されます。
10. 棒棒鸡(本当は辛いバンバンジー)
日本でも知られている鶏肉中華料理の一つである「棒棒鸡」(バンバンジー)。蒸した鶏肉に芝麻醤のソースがかけれた、ピリリと辛い鶏肉料理です。日本や中国の多くの都市では、辛さを和らげる為に、キュウリやクラゲをトッピングしたり、ソースで辛みを減らしたりしますが、本来は辛さで有名な四川省のお料理なので、ピリッとしています。
11. 東坡肉(中華風豚の角煮)
「醉鸡」と並んで浙江省の省都である杭州の名物料理として有名なのが「東坡肉」(トンポーロー)です。日本の豚の角煮の中国版と思って頂くとわかり易いと思います。北宋の詩人 蘇東坡が考案したという言い伝えからこの名が付けられています。
柔らかい豚肉と甘醤油のしみ込んだ味付けは絶品です。もちろんビールにぴったりです!
12. 糖醋排骨(中華風スペアリブ)
「糖醋排骨」(タンツパイグ)は、甘醤油で煮込んだ豚肉のスぺアリブ。かなり濃いめの味付けが、ビールをそそります。
13. 红烧猪手(コラーゲンたっぷりのプリプリ料理)
豚足は中国では一般的な食べ物です。色々な食べ方がありますが、甘醤油味で煮込まれた豚足「红烧猪手」(ホンシャオジュショウ)をご紹介致します。ちょっとグロテスクですが、コラーゲンたっぷりですから、女性にお勧めです。
豚足は手で豪快にかぶりつきます。レストランによっては、手が汚れない様に、ビニール手袋を提供してくれます。日本語では豚の足と書きますが、中国語では豚の手と書きます。
14. 青椒土豆丝(チンジャオロースのお肉とじゃがいもを交換)
「青椒肉丝」(チンチャオロース)は日本でも有名な中華料理ですが、「青椒土豆丝」(チンジャオトゥードウス)は全くと言っていい程知られていません。中国語で「青椒」は「ピーマン」、「肉」は「肉」、「土豆」は「ジャガイモ」、「丝」は「細切り」の事を言います。つまり、両者共に二つの材料を説明しているお料理名なんです。
なお「青椒肉丝」は「ピーマン細切り肉炒め」、「ピーマンジャガイモ細切り炒め」という意味になります。お肉が入っていない、ピーマンとジャガイモを塩炒めしただけのお料理ですが、どちらの食材もシャキっと炒めているので、さっぱりした歯ごたえがとても美味しいのです。当然ビールによく合うおつまみ料理と言えます。
15. 红烧茄子(本場東北地方で食べる事がお勧めの超お勧め茄子料理)
最後にご紹介するのは、筆者が最も好きな中華料理の「红烧茄子」(ホンシャオチエズ)。さいの目切りした茄子を素揚げして甘醤油で絡めたシンプルな中華料理です。東北料理の一つで、日本の茄子よりも大きくしっかりした中国茄子の美味しさが味わえます。
素揚げしたカラっと感が残る茄子に、とろみのある甘醤油が絡んで、抜群に美味しいです!ビールにもよく合います。日本の中華料理店ではほぼ食べる事ができないので、本場で是非味わって頂きたい一品です。
まとめ
中華料理は様々な食材を食する料理ですが、作り方は比較的シンプルです。メインディッシュが出来上がる前に食べる冷菜と呼ばれるオードブルはより簡単な物が多いのですが、お酒に合う美味しい物がたくさんあります。
今回は、日本の中華料理店では味わう事が難しい、本場ならではの冷菜をご紹介致しました。中国に行かれた時に、ご注文の参考にされてみて下さい。
中国おつまみ特集!お酒の肴におすすめ現地の人気15選!
1. 四季烤麸(日本人には超無名な知られざる超お勧めおつまみ料理!)
2. 干煸四季豆(インゲンの歯ごたえが美味しい)
3. 清炒豆苗(定番シンプル野菜炒め)
4. 拍黄瓜(夏に最適さっぱりおつまみ)
5. 香糟毛豆(枝豆は中国でも定番)
6. 干豆腐(中国醤油が浸みた乾燥豆腐)
7. 皮蛋豆腐(冷奴の中国風アレンジ版)
8. 凉拌豆腐皮(日本人には馴染みの無い湯葉料理)
9. 醉鸡(紹興酒に漬けられた鶏料理)
10. 棒棒鸡(本当は辛いバンバンジー)
11. 東坡肉(中華風豚の角煮)
12. 糖醋排骨(中華風スペアリブ)
13. 红烧猪手(コラーゲンたっぷりのプリプリ料理)
14. 青椒土豆丝(チンジャオロースのお肉とじゃがいもを交換)
15. 红烧茄子(本場東北地方で食べる事がお勧めの超お勧め茄子料理)