中国語の否定形表現!最初に覚えるべき基本文法!

中国語の文法知識

日本では強い否定表現を使うのが敬遠されがちですが、中国では自分の意思をはっきりと伝えることが大切です。筆者も中国で生活し始めてしばらくは、中国人から「結局のところ、何が言いたいのかわからない」とよく言われました。

特に肯定なのか、否定なのかということははっきりと伝えないと、自分の意見がない人と思われ、なかなか親しい関係になることができませんし、生活の中で不便が生じることもよくあります。

そこで今回は、中国語の否定形の基本文法を詳しくご紹介します。

 

中国語の否定形表現!最初に覚えるべき基本文法!

 

1. 最も基本的な否定表現「不」と「没」

中国語の否定表現は基本的に「不(ブー)」か、「没(メイ)」を使用し、動詞や形容詞の前に置いて否定文とします。

例えば、

我不去 / ウォーブーチュー / 私は行かない

というフレーズでは「去(行く)」の動詞の前に、また

我不開心 / ウォーブーカイシン / 私は楽しくない

というフレーズでは「開心(楽しい)」の形容詞の前にというように、これから話すフレーズは否定表現だということが最初から分かるようになっています。

とっさの時にどちらを使うか迷ってしまうことも多々ありますが、とにかくこの副詞のどちらかをつけておけば、中国人からは否定していることを最低限理解してもらうことができますので、間違ってしまっても困ったことはあまりありません。それでも誤解させてしまうことはあるので、正しい表現を学んでいきましょう。

次に「不」と「没」の違いをご紹介します。

2. 「不」と「没」の違い

まず「不」は主に、現在や未来の動作や意思/願望、状態の否定で、「~でない、~しない(する意思がない)」という意味で使います。例えば

不是 / ブーシ― / いいえ
不想 / ブーシャン / したくない
不去 / ブーチュー / 行かない

というように使います。

ちなみに「不」は基本的に第四声の声調ですが、後ろの動詞や形容詞も第四声の場合は、「不」が第二声に声調が変わるということも大切な点として覚えておきましょう。

「没」は主に過去や所有の否定、またある状況がまだ発生していないということを表し、「~しなかった、~したことがない、まだ~していない」という意味で使います。「まだ」という意味の「還(ハイ)」や、過去の経験を表す「過(グオ)」という単語を伴うことが多いです。例えば

没有 / メイヨウ / ない、持っていない
還没吃 / ハイメイチー / まだ食べていない
没吃過 / メイチーグオ / 食べたことがない

というように使います。

3. 部分否定か、全否定かをはっきりと!

「不」や「没」は置く位置、特に副詞「很(ヘン)、太(タイ)、都(ドウ)」の前に置くか、後に置くかで、それが部分否定と全否定というように、意味が変わってきます。

まず副詞の前に置く場合は部分否定となり「全てが~というわけではない」という意味になります。例えば、

我们不都是学生 / ウォーメンブードウシーシュエシェン

は「私たちは皆が学生というわけではない」つまり大部分は学生だが、一部そうでない人も含まれるという意味です。

また否定表現を和らげる意味でも使うことができます。例えば、

我不太喜歓○○ / ウォーブータイシーフアン○○

と言えば「○○があまり/さほど好きではない」という表現となり、直接「不喜歓」というよりも幾らか柔らかい表現となります。

その反対に、副詞の後に置くと全否定となり「全て~ではない」という意味になります。例えば、

我们都不是学生 / ウォーメンドウブーシーシュエシェン

は「私たちは皆学生ではない」という意味です。

また語気を強めた言い方ともなり、例えば、

我很不喜歓○○ / ウォーヘンブシーフアン○○

と言うと「私は○○が本当に嫌いだ」という強い表現になるので、副詞の前後で相手の受け取り方も異なるということを覚えておきましょう。

 

 

4. 必要ない時にははっきりと「不要」!

日常生活でよく使われるのが、「要不要~? / ヤオブヤオ~?」という言葉で、「~が必要かどうか」という意味があります。

例えば市場で買い物をすると、見ている物について店員から「要不要買? / ヤオブヤオマイ?」と必ず聞かれます。

また観光地でも外国人にお土産を売りつけようとする人(最近は規制が厳しくかなり減少)が付きまとってきて「要不要?」と聞いてくるので、はっきりと「不要 / ブーヤオ / 要らない」と伝えましょう。

ただ、この言葉を友人間でも使ってしまうと少しきつくとられるので、相手が友人だったり、年上であったりする場合は、「不用、謝謝 / ブーヨン、シエシエ」という幾分柔らかい表現を使いましょう。

なお、中国人の年上の方などへの接し方を含めた中国語の敬語についても以下に詳しく特集していますので、こちらも合わせて読んでみてください。

中国語の敬語!場面に合わせて使い分ける8つの文法ルール!
中国語にも場面に応じて一定ルールの敬語表現が存在します。日本語は表現方法が多彩、多様で細やかな言語ですが、現代中国語は日本語と比べると直接的で表現方法はとてもシンプルです。そこで今回は、基本的な中国語の敬語の使い方についてをご紹介します

 

5. ~したくない時にははっきりと「不想~」

「要不要」と同様に使われるのが「想不想~ / シャンブーシャン~」という言葉で、「~したいかどうか」という意味があります。この時も「~したくない」という場合には、はっきりと自分の意思を伝えましょう。例えば

我不想去 / ウォーブーシャンチュー / 行きたくない
我不想唱 / ウォーブーシャンチャン / 歌いたくない

というように使います。

日本人からするとストレートな表現に聞こえますが、中国でははっきり言わないと何をしたいかわからない人となってしまうので、しっかり意思を言い表しましょう。

なお、中国人と一緒に働く上で上記のような否定の仕方だけでなく、文化の違いならではの気を使うポイントがあります。以下の記事にまとめましたので、こちらも合わせて一読ください。

中国人と一緒に働く時に注意すべき8つのマナー!
お隣の国、中国は、日本とは全く異なるビジネス文化を持つ国です。もちろん、中国の人と一緒に働く時に注意するべきマナーも、日本とは異なります。自分は日本で働いているけど、同僚の中に中国人がいる。来月から、中国での駐在が決まった!などという方も多いのでは? そこで、今回は中国人と一緒に働く時の8つのマナーを教えちゃいます!

 

6. 生活でよく使われる否定表現①

最後に中国で生活したり、旅行したりする場合に使用頻度の高い否定表現を2つご紹介します。1つは

听不懂 / ティンブードン / 聞いて分からない
看不懂 / カンブードン / 見てわからない

というフレーズです。

日本語の「チンプンカンプン」がこの中国語から生まれたという説があるそうですが、この言葉、生活していると本当によく使います。

听不懂,请再说一遍 / チンザイシュオーイービエン / 聞いて分からなかったのでもう一度言ってください

というフレーズは、長く中国で生活していてもやはりよく使用します。

7. 生活でよく使われる否定表現②

もう1つよく使う表現で、しかも日本人が好きなフレーズに

差不多 / チャーブドゥオ / 大差ない

という言葉があります。この言葉を否定表現と数えるかどうかは意見が分かれるかと思いますが、中国に来てから最も使っている表現なのでご紹介します。

漢字の通りだと「差があまりない」という意味で、もちろんその意味で使うことも多いですが、その他にも「だいたい完了した」「似たようなものだ」という意味でも、また「微妙」というような意味でも使える便利な表現です。

 

 

まとめ

いかがでしたか?
中国では日本と違い、意思をはっきりと伝えることがポイントです。たとえ細かいフレーズやニュアンスが間違っていたとしても、あなたが何かを否定しているということが相手に伝わることが大切です。ぜひ積極的に使ってみてください。

 

中国語の否定形表現!最初に覚えるべき基本文法!

1. 最も基本的な否定表現「不」と「没」

2. 「不」と「没」の違い

3. 部分否定か、全否定かをはっきりと!

4. 必要ない時にははっきりと「不要」!

5. ~したくない時にははっきりと「不想~」

6. 生活でよく使われる否定表現①

7. 生活でよく使われる否定表現②

 


あなたにおすすめの記事!

中国語の文法知識 中国語ライティング
Chunをフォローする

中国で生活して13年、中国人と共に学び働くことで、中国の魅力や中国人ならではの言動を目の当たりにしてきました。そこで得ている現地でしか知ることのできない興味深い情報や中国語の生きた使えるフレーズをご紹介していきたいと思います。

Chunをフォローする
Fun!Fun!China!