中国の閏年(うるう年)事情!在住経験者に聞く6つのおもしろ豆知識!

中国文化

うるう年というのは、太陽の暦年と実際の暦との差異を調整する為に、平年に対して一日加算した年の事を言います。日本においては、法令で「神武天皇即位紀元年数(皇紀年数)を4で割って、割り切れる年を閏年とする。(Wikipediaより)」と決められています。それでは中国では閏年事情はどうなっているのでしょうか?

そこで今回は、中国の閏年事情について在住経験のある筆者が詳しくご紹介します。

 

中国の閏年(うるう年)事情!在住経験者に聞く6つのおもしろ豆知識!

 

1. 王様のストライキ

閏年の漢字の「閏」は、よく見ると「王」が「門」の中にあります。実は、閏年の由来は、この漢字の成り立ちにあります。つまり、王様が門の中に居ることを閏と言うのです。暦からはみ出してしまった期間には、皇帝が政務を行わず、門の中に閉じこもったという事から、王が門の中に居る事を閏と呼ぶ様になり、その年を閏年と呼ばれる様になったと言われています。

漢字は中国発祥の文字ですが、単語を構成する漢字の一文字一文字には意味があり、この様に見聞きしてみると、意外な事実を知る事ができます。雑学としても楽しい事ではないでしょうか?

2. 合理的な中国の閏年管理

閏年というのは、太陽の運行と現実の暦の差異を調整する目的で設けられます。ところが、地球上には様々な暦がある事から、その調整方法にも様々あり、一様ではありません。

中国暦では規則性が無く、近未来の暦は決定できないという考え方から、太陽と月の運行を正しく観測運用し、閏年を決めています。太陽の動きを常時監視することで、現実的な齟齬を生み出さないという合理的な考え方と言えます。

3. 立春が二度ある事もある

中国では、立春が二度ある事もあるのです。これも日本人にはびっくりです。西暦は1年12ヶ月365日ですが、旧暦はこの通りではありません。

例えば2014年の事ですが、西暦の2014年1月31日から2015年2月18日までが、旧暦の一年に当たりました。この期間では、2014年2月4日と2015年2月4日が立春でした。つまり一年間の間に立春が二度やって来たのです。

 

 

4. 同じ月が二度ある事もある

2でご紹介したとおり、中国暦では閏年の調整に規則性が無いので、日本人にはびっくりすることが発生します。同じ月が二度ある場合あるのです。

西暦国では1月から12月が一年の月で、閏年には2月の日数で調整しますが、中国では旧暦であり規則性が無いので、ある年に月を多くして調整することがあるのです。この事を閏月と言います。例えば2109年には9月が二度ある事になっています。日本人には考えられないカレンダーが実際に起こるのです。

5. カレンダーが合わない

4で紹介した通り、月が二度ある場合もある中国ですから、日本のカレンダーと中国のカレンダーに違いが生じる年があります。全ての年が日本のカレンダーと違うという訳ではありませんが、閏月がある年のカレンダーでは違いが生じます。スケジュール決定や管理が必要な場合は、注意が必要になります。

6. 誕生日を閏日にしない様に出産を避ける傾向

たまたま筆者の長女は閏年の2月29日に日本で生まれました。前日に夫婦で、「まさか明日は無いよね」と話していた翌日の朝、何と娘が生まれてしまったのです。予定日は3月中旬でしたので、晴天の霹靂でした。

日本では、出生日の選択ができます。本来の誕生日は2月29日ですから、当然この日で出生届をする事ができますが、2月28日でも3月1日でも選択が可能です。

筆者夫婦は、このまま2月29日で届け出をしました。誕生日が4年に一回でかわいそうという考え方もありますが、私たち夫婦は違う判断をしました。一つは本当に生まれた日だから。もう一つは、閏日生まれの方が話題性があって他の方に覚えて頂き易いと考えたからです。

私事の話しになってしまいましたが、中国では日本と違い、届けを選択する方法が無い様です。その為、閏日の予定日の場合は、あらかじめ出産日そのものを変えてしまう選択が多いそうなのです。というのも、中国の出産は帝王切開なのでそれが可能になります。切開する日にちを一日ずらして2月28日か3月1日に手術をするケースが多いそうです。いわば出産のコントロールという事になります。

日本と同様に出生届で日にちの幅があればこの様なことにはならないと思いますが、共産主義国の中国では、やはり融通が効かないのでしょう。日中で閏日出生の違いがあるのです。

 

 

まとめ

西暦と旧暦が存在し、中国では暦は旧暦を採用している事はご存知の方も多いと思いますが、暦が違うと今回ご紹介した様に、閏年の扱いにも違いが生じる事がおわかりになったのではないかと思います。

西暦元旦と旧暦元旦は、日にちが違う事はご存知だったと思いますが、この様にいくつかの場合には日中でカレンダーに差異が生じる事もありますので、ご注意してみて下さい。

 

中国の閏年(うるう年)事情!在住経験者に聞く6つのおもしろ豆知識!

1. 王様のストライキ

2. 合理的な中国の閏年管理

3. 立春が二度ある事もある

4. 同じ月が二度ある事もある

5. カレンダーが合わない

6. 誕生日を閏日にしない様に出産を避ける傾向

 


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家族で中国に駐在しておりました鎌倉在住のコンサルタントです。サッカー観戦、楽器演奏、腕時計収集、帽子、海外旅行、街歩きが趣味のおじさんです。中国に関するコンサル、講演、執筆、ガイド等も承ります。生身の中国を是非多くの皆さんに知って頂きたい想いでお仕事させて頂いております。どうぞ宜しくお願い致します。

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