中国幼児はどのような教育を受けているのでしょうか?そして日本のような保育園はあるのでしょうか?もしあなたが中国に移住することになった場合、小さな子どもを預ける保育園や幼稚園のような施設があるか、事前に把握しておきたいですよね。
そこで今回は現地在住の筆者が、中国の幼児期保育施設について自身の経験を交えながらご紹介します。
中国の保育園や幼稚園事情!在住者に聞く7つの特徴!
1. 中国に保育園はあるのか?
日本の保育園は、保護者が働いているなどの何らかの理由によって家庭での保育が難しい場合に児童を預かる施設ですが、中国には保育園というものはなく、幼稚園で子どもたちを預かり保育しています。
中国でももちろん共働きの家庭がたくさんありますが、祖父母の子育て参加率が日本よりかなり高く、保育園がなくても、共働きを実現できることが多いのが実情です。祖父母が孫の育児を手伝うことは暗黙の了解のようになっています。
2. 中国の幼児対象保育施設
中国で幼児を預ける施設は幼儿园(ヨウアーユエン)と呼ばれます。
一般的に満3歳から年少組に入り、年中組、年長組を経て、満6歳の9月に小学校入学となります。中国の公立学校では9月から新年度が始まります。中国の幼稚園は大きく私立と公立に分けられ、公立は満3歳からですが、私立の幼稚園ではそれ以前から入園できるところもあります。
筆者の子どもが通う私立のインターナショナルスクールでは満4歳から入園可能で、新年度は8月から始まります。中国の公立幼稚園は政府指導のもと、良質な保育が受けられるようですが、入園には条件があり、当地域の戸籍や、当該地域内の不動産などが必要です。なので、多くの中国在住の日本戸籍の子どもたちは私立の幼稚園に通っています。
3. 入園年齢に達していない乳幼児の育児
入園年齢以前の乳幼児は家庭内で育児することが一般的で、日本のように生後数ヶ月の赤ちゃんを外部施設に預けるということはまずありませんし、乳児を預かってくれる施設もありません。乳児対象の早期教育施設はありますが、大人の同伴が必要です。家庭内での育児方法には、自身で育児する、祖父母等家族親戚に預ける、ベビーシッターを雇う、が考えられます。
中国では家事や育児のために人を雇う習慣が普及しており、日本よりもリーズナブルな価格で利用することができます。筆者は現在週に一回ハウスキーピングサービスを利用していますが、4時間家中掃除してもらって一回約140元ほどです。
4. 幼稚園入園に受験はあるのか?
幼稚園入園に際して面接がある場合があります。まだ年齢が小さいこともあり、学業レベルを測るような受験はあまりありません。筆者の子どもがインターナショナルスクールに入園するときは、集団行動の中での行動観察を通して入園の可否を判断する、という方法でした。中国のローカル幼稚園入園の際には面接も受験もありませんでした。
面接の内容は、親と離れて、先生や同年齢の子どもたちと一定時間を過ごすというもので、後日入園の可否がメールで通知されます。以前に上海にある複数のインターナショナルスクールに見学に行ったことがありますが、どこも幼稚園の入園には受験はなく、面接だけということでした。
ただ、小学生以上からはテストがあるのが一般的で、インターナショナルスクールの場合一定レベルの英語が必要となります。筆者の子どもが通うインターナショナルスクールでは幼稚園の段階で、英語レベルを問われることはありませんでした。幼稚園入園後は素行等問題なければ、エスカレーター式に小学校へと進めます。
5. 私立幼稚園の費用
各私立幼稚園の費用に同じではなく、筆者が在住している福建省アモイ市内では、中国のローカル幼稚園で月1000元前後から6000元前後です。毎月の支払いではなく、学年の始まりにまとめて費用を支払います。ローカル幼稚園の先生は中国人で、中国語での保育となります。
現在筆者の子どもが通っているインターナショナルスクールの年中組では、月平均約9500元と高額ですが、各クラスの主任先生はアメリカやヨーロッパ出身の英語ネイティブスピーカーです。1クラス12人以下の少人数制で、主任の先生以外にも2-3人の先生が保育してくれます。
6. 幼稚園の選び方
幼稚園選びですが、必ず自身で子どもと一緒に見学に行きましょう。習慣や文化の違いもあるので、中国人にとってはOKなことも日本人からすると受け入れがたいこともあります。一番は子どもが毎日楽しく安全に通えることだと思うので、是非子どもたちの意見も尊重してあげてください。
中国のローカル幼稚園では、生徒と親がほぼ全員中国人なので、言語や文化の面で馴染みにくいということもあります。特に日中関係が悪化したときや、歴史的な背景等から日本を良く思っていない人もいるので、念頭に置いておきましょう。
当たり前のことですが、毎日の送り迎えのことを考えて自宅から地理的に近い方が長期的に楽です。幼稚園のイベントや保護者会等で幼稚園に行かなければならないことも度々あるので、どんなに良いと思う幼稚園でも、遠方はあまりお勧めできません。
なお、現地の反日感情については以下にまとめていますので、こちらも合わせて読んでみてください。
7. 保護者にとっての注意点
中国の幼稚園選びの際に子ども以外にも保護者自身のことも考えて選びましょう。ローカル幼稚園では面接や、お知らせのお手紙、保護者会でも、すべて中国語なので中国語がわからないと後々大変かと思います。
一方インターナショナルスクールでは、お知らせのお手紙等は英語か、英語と中国語の二か国語です。加えて複数の異なる国籍の人々が共に学ぶので、ローカルスクールより疎外感を抱くことが少ないかと思います。
地域にもよると思いますが、福建省アモイ市では日本人は多くなく、今筆者の子どもが通っているインターナショナルスクールの幼稚園から高校三年生全児童の中でも、日本国籍児童は10人以下です。
まとめ
いかがでしたか?
中国の幼稚園事情がお分かりいただけたかと思います。中国では入園年齢に達していない乳幼児を預ける施設はなく、自分で育児の問題を解決しなければなりません。しかし、中国人には子どもたちに寛容で、子連れには優しい人が多い傾向にあります。一方誘拐事件や交通事故も多いので、特に小さい子どもは注意が必要です。
入園年齢に達したら是非中国の幼稚園を利用してみてください。習慣や言語、文化が異なり、最初のうちは苦労するかと思いますが、親子共々日本ではできない体験ができたり、新しい発見があります。
中国の保育園や幼稚園事情!在住者に聞く7つの特徴!
1. 中国に保育園はあるのか?
2. 中国の幼児対象保育施設
3. 入園年齢に達していない乳幼児の育児
4. 幼稚園入園に受験はあるのか?
5. 私立幼稚園の費用
6. 幼稚園の選び方
7. 保護者にとっての注意点