中国でなぜグーグルは使えない?在住者に聞く現地のGoogle事情!

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ご存知ではない日本の方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、実は中国ではグーグルは通常使えないのです。検索目的のグーグル使用に加えて、GmailやGoogleDocs、GooglMapsと言った関連もの全てが使えません。

検索といえばまずGoogleを使用することが多い日本の方にとって、これはかなり不便で、かつ疑問が残ることだと思います。

そこで今回はなぜ中国ではGoogleが使えないのか、Google以外の検索サイトは何があるのか、中国でGoogleを使う方法はないのか、についてご紹介していきます。

 

中国でなぜグーグルは使えない?在住者に聞く現地のGoogle事情!

 

1. 中国でなぜGoogleが使えなくなったか

2010年3月まで、中国でGoogleは谷歌(グーグー)と呼ばれ、そのシェアを30パーセント以上にまで伸ばし、中国国内大手検索サイト、「百度(バイドゥ)」に次ぐ2位にまでなっていました。

ところが、2010年3月、グーグルは中国本土で展開するネット検索サービスから撤退する方針を明らかにしたのです。その理由としては中国政府による厳しいネット検閲と,「G mail」が中国国内からと見られるハッカー攻撃を受けたことが挙げられています。

中国での検閲や国民に対する監視の程度は日本より厳しく、国内に設置されている監視カメラの数も日本の比ではありません。以前にアモイに住む筆者の日本の友人が日本から雑誌を購入したところ、検閲後雑誌の複数箇所が油性ペンで黒塗りにされていました。

2. Google以外の中国で利用できる検索サイト

それではGoogle以外にはどのような検索サイトが利用できるのでしょうか。代表的なものは中国国内最大手の「百度(バイドゥ)」です。

百度は比較的素早く検索結果が表示されますが、使用する主な言語が中国語なので、外国の方にとっては使いにくいです。さらには、検索結果の中に正確ではないものが含まれており、筆者は以前に百度で検索して一番上に出てきたある航空会社の航空券変更電話番号に電話をかけたところ、実は詐欺で、危うく5万元盗られるところでした。

百度は中国国内の情報やニュースには強いですが、日本語での検索能力や海外の情報には劣ります。日本でもお馴染みのYahooもニュースの閲覧、メール機能など一部機能は利用できますが、検索機能はほぼ使用できません。

3. Google以外に中国で利用が規制されているネットサービス

中国で利用が規制されているのはGoogleだけではありません。YouTube、LINE、Facebook、Wikipedia、インスタグラム、ツイッター等日本人の生活に密接したこれらのネットサービスは全て通常利用できません。

それは何故なのか?中国に参入する際には民主化や少数民族問題など中国政府の望まない情報を非表示にするという検閲を受け入れる必要があることが大きく関わっています。Googleが初めて中国市場に参入した時にも、この件はアメリカ議会で非難されました。中国政府によるネット検閲を受け入れることができなければ中国市場には参入できないのです。

 

 

4. G mailの代わりに使える無料メールサービス

もし中国で長期的に生活するなら、日本と同じネット環境にこだわるよりも、同様の機能がある中国国内で使用可能なネットサービスの利用を開始するのも一つの方法です。Gmailは使えませんが、Yahoo mailやSkypeは現状使用できます。

筆者は主に网易126免费邮箱(ワンイ126ミエンフェイヨウシャン)を使用しています。また少し前までSNSの主流だったQQのQQ邮箱(QQヨウシャン)や网易163免费邮箱(ワンイ163ミエンフェイヨウシャン)もユーザーが多いです。

5. GoogleMapsの代わりに使える無料地図アプリ

GoogleMapsは使えなくとも、中国国内では百度地图(バイドゥディトゥ)が使用できます。中国の検索サイト最大手の百度の地図アプリです。Google Mapsのようにどこの国でも詳細な地図は出ませんが、中国国内で使用する分には充分正確な情報が得られます。運転する場合にはカーナビとしても使えます。

百度地図以外にも高德地图(ガオダーディトゥ)というアプリも便利で、筆者はいつもこれを使用しています。オフライン使用の設定が可能です。ただ、これらの地図アプリを使用する際には中国語が必要となります。

iPhoneにもともと入っている地図では日本語での検索が可能ですが、スマホの言語設定が日本語である場合、中国語の地名や道路名などの固有名詞も全て日本語の読み方で読み上げるので、何を言っているのかよく分かりません。

6. 中国で使えるSNS

LINEが使えないとなると中国人は何でやり取りしているのか?以前はQQというSNSが主流でしたが、現在では微信(ウェイシン;WeChat)が主流です。

微信は中国国民にとって今やなくてはならないアプリとなっています。その機能もチャットだけでなく、電子マネー決済(WeChat Pay)、友人間同士の送金、配車サービスの予約から、映画のチケット予約などなど出来ることはたくさんあります。

あなたが中国で長期滞在する場合、LINEは使えなくても困りませんが、WeChat が使いこなせないと不便なこと間違いなしです。

WeChatについては以下で詳しく特集していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

WeChat(微信)の使い方と注意点をまとめてみた!
最近日本でもお店などでよく見聞きするようになったWeChat(ウィーチャット)。今さら誰かに聞くのもちょっと…と思っているあなたのために、今回はWeChatとは何か、WeChatの使い方や注意点についてご紹介します。この記事を読んで、あなたもぜひWeChatデビューしてみませんか?

 

7. 中国でGoogleを使用する方法;短期滞在向け

中国語ができる場合、ご紹介した中国国内でも支障なく使えるネットサービスに移行できますが、中国語ができない場合、或いは短期間だけの滞在の場合におすすめの方法を二つご紹介します。

一つ目は日本の携帯電話キャリアと契約しているスマホと中のSIMカードをそのまま中国で使用する方法です。これは国際ローミングと呼ばれるもので、日本の携帯電話キャリアが現地の回線を借りてサービスを提供するものです。

特に手続きも要らず、LINEやGoogleが使えますが、注意しなければならないのはその費用の高さです。この方法を使う場合は必ず海外用定額パケットプランに加入してからにしましょう。定額パケットプランに入っても1日1000円以上するので、長期滞在者には向かない方法です。

もう一つの方法は中国向けのWi-Fiルーターを日本でレンタルしてから中国に来る方法です。中国向けのWi−fiルーターは中国の規制に対する対策(VPNなど)が取られており、このルーターに接続する事でGoogleも使用可能です。この方法もWi−fiルーターレンタル料金が毎日かかるので、長期使用すると高額になってしまいます。

8. 中国でGoogleを使用する方法:長期滞在向け

筆者自身はGoogle等使用できなくても特に困らなかったために、長年気にしていませんでしたが、どうしても利用したい、しなければならない人もいます。

その方法の一つがVPNの使用です。VPNとはVirtual Private Networkの略で、離れた場所の間を仮想的な専用線でつないで安全なデータ通信を実現する仕組みで、結果中国にいながら日本と同様のネット環境を実現できます。

VPNのメリットとしては、中国国外同様のネット環境に加えて、PC, iPhoneなど端末を選ばず利用できる、通信が暗号化されるので、中国当局からは見ることができないといったことが挙げられます。VPN各社料金やプランによって差がありますが、一ヵ月1000円前後で利用できます。

VPNによっては中国国内からは規制によって公式ページにアクセスできないものがありますので、中国に来る前に申し込みをしておく方が選択肢が広がります。また中国当局の政策や規制の変動によっては、今まで使えていたVPNが使えなくなる可能性も考えられますので注意が必要です。

 

 

まとめ

いかがでしたか?
中国でGoogleを始め複数のサイトが利用できないことは、これらサイト利用に慣れた日本の方には不便に感じられるかと思います。ただ事前に知っておくことで予め代替方法を模索したりVPNの利用を考慮に入れることも可能です。

また中国生活に慣れ、中国語で読み書きできるようになると、Googleの代わりにご紹介した百度、微信のような中国語のアプリを使うなど、現地のやり方に合わせることで低コストで無理のない方法に移行できます。

今回ご紹介した中国のネット環境について知った上で、あなたにぴったりの方法を考えてみてくださいね。

 

中国でなぜグーグルは使えない?在住者に聞く現地のGoogle事情!

1. 中国でなぜGoogleが使えなくなったか

2. Google以外の中国で利用できる検索サイト

3. Google以外に中国で利用が規制されているネットサービス

4. G mailの代わりに使える無料メールサービス

5. GoogleMapsの代わりに使える無料地図アプリ

6. 中国で使えるSNS

7. 中国でGoogleを使用する方法;短期滞在向け

8. 中国でGoogleを使用する方法:長期滞在向け

 


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