日本ではゴールデンウイークの最終日にあたるこどもの日。日本では鯉のぼりをあげたり、柏餅を食べたりと、伝統的な習慣が今でも続いています。筆者も日本の農村部出身なので、子供の日の一か月ほど前から、近所で大きな鯉のぼりが幾つもあげられているのを眺めていました。
もちろん中国にも子供の日は存在するのですが、日本とは行事や習慣がかなり異なっています。そこで今回は、中国のこどもの日についてご紹介します。
中国のこどもの日!在住者に聞く6つのおもしろ事情!
1. 中国のこどもの日はいつ?
日本のこどもの日は5月5日ですが、中国のこどもの日は6月1日と定められています。社会主義国の多くはこの日がこどもの日と定められているようですね。
中国では、14歳未満の子供はその日が休日と決められています。親は休みにはならないので、休暇を取る人も少なくありません。その日は祖父母も含めて、皆で子供と一緒に過ごすように決めている家庭が多く見受けられます。
2. 中国のこどもの日の習慣
6月1日がこどもの日に定められたのはここ数十年のことで、中国の他の伝統的な祝日と比べるとその歴史もかなり浅く、特に伝統的な習慣や食べ物はないようです。学校ごとに子供たちのためのイベントが行われたり、子供たちにプレゼントを贈ったり、レストランで子供の好きな物を食べたりするのが、最近の習慣となっています。
また、遊園地や公園等もその日は子供が入場無料になったり、商業施設でも様々なイベントが行われるので、子供にとっては楽しみな一日となってきているようです。
3. 端午の節句は中国が起源なのでは?
中国では、旧暦の5月5日が端午節と呼ばれる祝日となっていて、その前後を合わせて三連休と定められています。中国の伝統的な四大祝日の一つ(他の3つは春節、清明節、中秋節)ともなっていて、端午節には様々な伝統行事や習慣がみられます。ただ、子供の日という概念は特にないそうです。
その起源は諸説あるそうですが、最も有名なのは春秋戦国時代の詩人で政治家でもあった屈原という人物が、失脚したことに失望し川で入水自殺をした際に彼の無念を鎮めるため、またその遺体が魚に食べられることのないように、人々がちまきを川に投げ込んだという伝説です。
4. 端午節の習慣
上述の屈原の伝説に由来する通り、端午節にはちまきを食べるのが習慣となっています。ちなみに中国語でちまきは粽子(zòng zǐ)と言います。端午節の前になると、いろんな所でちまきが売られていて、それを贈り合うのが端午節の習慣の一つとなっています。
ところで皆さんは、中国のちまきと言うとどのような味を想像されますか?筆者は日本にいた時からいわゆる中華ちまきが大好きだったので、中国で初めての端午節の時にたくさんちまきをいただいて、とてもうれしかったのですが、笹の葉をとって一口食べた時に、想像とは違う味に驚かされました。そのちまきはナツメ入りの甘いものだったのです。
よくよく中国人に聞いてみると、中国でも南の地方はしょっぱい味付けのちまきが多いが、北方では基本的に甘い味付けのものが多いということでした。その他にも卵の黄身だけを使ったものや、果物を使ったものなど、少し日本人にはなじみのないものも売られています。
端午節のもう一つ有名なイベントが、ドラゴンボートレースと呼ばれるものです。これもやはり屈原に由来するもので、漁民がドラゴンボートを漕いで屈原を助けに向かったという伝説にちなみ、端午節にはボートレースが各地で行なわれます。少し調べてみると、ドラゴンボートは近代スポーツとして、アジア大会でも実施されたことがあるそうです。
5. 3月3日は?
日本では、3月3日は桃の節句、またひな祭りとして、女の子のために祝われていますが、これも中国から来ているのでしょうか?
旧暦の3月3日、5月5日、7月7日は一応女児節とも呼ばれるそうで、その名称の通りだと女の子の健康な成長が祝われる日となっていますが、日本のような伝統行事もなく、休みになるということもありません。
ただ、旧暦の7月7日は七夕として男性から女性へとプレゼントや花が贈られたり、イベントが行われたりはしています。
6. 中国の子供たちの現状
上述のようにこどもの日には楽しみなイベントも多いのですが、実はこの時期は学校の期末テストも迫っており、テストの結果が悪いと小学生でも補習を受けさせられるので、あまり遊んでいられないというのも実情のようです。
特に現代の中国では教育が相当重視されており、小学校低学年から宿題も非常に多く、夜遅くまで宿題に追われると中国人の友人がよく嘆いています。週末は週末で習い事で一日埋まっていたりと、大人よりも忙しい生活を送っています。遊ぶ時間がない、子供らしく楽しめない、というのが現状のようです。
まとめ
今回は中国のこどもの日についてご紹介しましたが、いかがでしたか?日本の祝日の幾つかは中国が起源となっていますが、その祝い方や伝統行事は似ているようで大きく異なっています。そのため、中国の祝日に合わせて旅行するのも、新たな発見があって良いものです。
また今後も中国の祝日や伝統行事を、折を見てご紹介できればと思います。
中国のこどもの日!在住者に聞く6つのおもしろ事情!
1. 中国のこどもの日はいつ?
2. 中国のこどもの日の習慣
3. 端午の節句は中国が起源なのでは?
4. 端午節の習慣
5. 3月3日は?
6. 中国の子供たちの現状