北京の天気には、どんな特徴があるのでしょうか?今回は在住経験者である筆者が、旅行前に知るべき情報やベストシーズンについて、詳しく解説します!
中国の首都であり、また古い歴史を持つ北京は、観光名所がたくさん!そんな北京にせっかく旅行に行くなら、ベストシーズンに出かけたいですよね。この記事では、北京在住経験者だからこそ知る、季節ごとの天気の特徴や、旅行にお勧めの季節の情報などもお届けします。これから北京に旅行に行きたいと考えているそこのあなた、必見です!
在住経験者に聞く中国・北京の天気と旅行ベストシーズンとは?
1. 北京って、どこに位置しているの?
天候の特徴を知る上で、その都市がどこに位置しているのかというのは、かなり重要な情報になります。日本でも、北に位置する札幌は寒いですし、南の沖縄の那覇は年間を通して暑いですよね。今回ご紹介する北京は、どこに位置しているのでしょうか?調べてみると、緯度・経度から見た地理的な位置は、下記のとおりです。
北緯39度
東経116度
これだけ見てもよくわかりませんが、日本で言えば、秋田と同程度の緯度になります。冬は東京よりは寒そうですね。また、内陸に位置しているので、島国日本に比べると、夏と冬・昼と夜の寒暖差は、より激しいです。また年間を通して、日本より乾燥しています。次に、季節ごとの特徴を見ていきたいと思います。
2. 春は日本に比べて短い!
北京の春は、日本の春と比べると、短い印象があります。厳しい寒さがようやく終わったと思ったら、一気に気温が上がり、あっという間に夏がやってくるイメージです。北京は緑豊かな都市なので、4月ともなると花壇に花が咲き乱れ、木々の新緑も美しいです。ただ、3月中はまだ冬の間の大気汚染や黄砂の影響もあり、街全体が黄色っぽく、ぼやぼやっとしていることが多いです。
また、北京の春の風物詩といえば、「柳絮(リウシュー/日本語ではリュウジョと読みます)」です。これは「杨树(ヤンシュー)」と呼ばれる木々が出す、綿状の種子です。北京では、毎年4月中旬頃になると、この柳絮が一斉にふわふわと空中を舞い、まるで雪が降っているかのようです。
見た目は美しい柳絮ですが、アレルギーを引き起こすこともあるので、アレルギー体質の人や気管の弱い人は要注意です!
3. 梅雨を飛ばしてすぐ来る夏!
短い春が終わると、あっという間にやってくる夏。感覚的には、5月に入ると、日中は半袖でないと暑くてたまらない日が出てきます。筆者の経験からすると5月1日のメーデーには日中はもう半袖を着ていました。ただ、朝晩は涼しいので、羽織るものがあると便利です。
また、北京には日本の本州のような梅雨がありませんので、6月も晴れた暑い日が続きます。この季節の日差しはとても強いので、旅行時には日焼け止めやサングラスなどの対策が必要になります。
また北京の観光地は日本以上に広くて見応えがありますので、夏にあちこち見て回ろうとすると、熱中症になる危険があります。ペットボトルを持ち歩き、こまめに休憩を取るなどして、無理をしないようにしましょう。
なお、日本のように、夕方にゲリラ豪雨のような大雨になることもあるので、注意が必要です。
4. 快適な秋!
北京の秋は、晴天が続き、本当に気持ちが良いです。8月の後半ともなると時折涼しい風が吹き、9月から10月にかけては、観光に最適なシーズンとなります。この季節は、日中は日差しがあることが多いですが、日中と朝晩の寒暖差が日本以上にあるため、羽織るものなど、体温調整のできる服装が必須です。
また、天候以外になりますが、10月1日から約1週間程度は、中国では国慶節という建国記念日を祝うため、日本でいうところのゴールデンウィークのような休暇シーズンとなります。そのため、航空機のチケットが取りにくくなったり、各地の観光地が大混雑する恐れがあるので、その時期の北京旅行は避けた方が良いかと思います。
また、秋も深まる11月ともなると、「暖气」(ヌァンチー)と呼ばれるセントラルヒーティングが稼働し始めます。これによって、大量の石炭が使用されることになり、大気汚染の原因物質が発生します。そのため、例年11月後半からは大気の状態が悪化する傾向があります。
5. 大気汚染で悩まされる冬
先ほどの秋の項目でも触れたように、石炭の使用が増加する冬は、一年で一番大気汚染が深刻なシーズンです。
最近は中国政府の努力などもあり、徐々に改善されてきているようですが、やはり日本の冬の澄んだ空気と比べると、大気が濁って、街全体がどんより曇っている印象は否めません。
また、この時期は、一年の中で最も寒さが厳しいシーズンです。最低気温は、マイナス10℃を下回ることもあり、日中も0度を少し超える程度です。空気が乾燥し、風も吹くため、その寒さが一層身に応えます。
筆者自身は、正直この時期の北京への旅行はおすすめしません。もし、この時期に旅行に行かれる方は、しっかりとした防寒対策と、気になるようであれば、マスクやのど飴などの大気汚染及び乾燥対策が必要になります。
6. 北京ならではの天気の特徴まとめ
下記の①~④に、日本と比べた際の、北京ならではの天候の特徴をまとめました。
①空気が乾燥している。
⇒ 夏季は降水量が増えるものの、年間を通して日本より乾燥しています。
②春は黄砂が飛ぶ。
⇒ 日本でも九州や西日本は黄砂の影響を受けたりしますが、黄砂の故郷である砂漠に近い北京では、より深刻な影響が出ます。
③春は柳絮も飛ぶ。
⇒ 日本人にとっては物珍しい柳絮ですが、現地の人にとっては、風物詩と捉える一方、アレルギーなどを引き起こす厄介者という見方もあるようです。日本でも杉花粉症が問題になるように、アレルギー体質の方は注意が必要です。
④冬は大気汚染が深刻。
⇒ 改善がされているとはいえ、日本に比べると、やはり大気汚染指数は高い数値が出ます。体の弱い人は、冬の旅行は避けた方が良いでしょう。
7. 北京のベストシーズンは?
結論から言うと、私が考える北京のベストシーズンは下記のとおりになります。
初夏(5月~6月)
初秋(9月~10月)
この時期に旅行をするのがお勧めです。ただ、その季節だからこそ味わえる北京らしさというのもあります。北京に何度も足を運んで、あなた自身のベストシーズンを見つけてみるのも良いかもしれません。
まとめ
古都であり、悠久の歴史を持つ北京は、本当に1回の旅行では見切れないほどたくさんの観光名所があります。また、広大な国土を持つ中国だからこそ、その観光名所の1つ1つが非常に大きく、見て回るのにたくさん歩かなければなりません。
そういったことを考えると、北京に旅行に行くのであれば、激しい暑さの真夏や、極寒の真冬は、避けた方が無難だと思います。また、もしその季節に行くのであれば、それなりの準備をして、楽しく安全に旅行に行ってきたいですよね!
たくさんの魅力を持つ北京。せっかく貴重な時間を割いて旅行に行くのであれば、お勧めの季節に足を運んで、その魅力を思う存分味わってみてください!
在住経験者に聞く中国・北京の天気と旅行ベストシーズンとは?
1. 北京って、どこに位置しているの?
2. 春は日本に比べて短い!
3. 梅雨を飛ばしてすぐ来る夏!
4. 快適な秋!
5. 大気汚染で悩まされる冬
6. 北京ならではの天気の特徴まとめ
7. 北京のベストシーズンは?